Q.私の前で、鼻に手をやる人が多いので話すのがつらくなります。

A:口臭があるかどうかは目に見えないので、ちょっと不安に思っている人は、気になる度合いが膨らみます。つい、自分が臭いからと考えてしまいます。

 

ただ、口臭外来に来ている患者様の多くが、なぜかそういったしぐさの訴えをしているにもかかわらず、ご自分も同じように話をすると鼻や口に手を当てながらお話しされます。

「私が臭いから、そういったしぐさをされるのですか?」と聞くと、全員が否定されて 「自分の息が臭いので先生にかかってはいけないと思って」と答えられます。

当院へは、口臭を治すために受診されているので、まったく気にせずニオイも出していい場所ですし、私も患者様の口臭をどの程度のものなのか感知し、嗅ぎ分けないといけません。

それでも、患者様はつい隠そうとしてしまうのです。

 

自分が臭いのを知られたくないから鼻や口に手を当てたりするのに、そのしぐさを見て自分が臭いから相手はそうするのだと思ってしまう。

 

口臭を気にしていない人から見れば、こういうしぐさは、よほど自分の口が臭くて自信がないと思ってしまいます。


無意識に自分でもしているしぐさなのに、相手にとっては自分が臭いからと思わせるしぐさになってしまうのです。

 

日本人は、恥ずかしがり屋の性格の人が多いので、無意識に口や鼻に手を当てながら話をする癖のある人が多くいます。口臭を気にしていなければ、そのしぐさは目に入らないのですが、口臭を気にする人は息をするたび、ひそかに誰かが反応していないかを観察してしまうのでつい目にとまります。

実際には、自分が相手にどう思われているか、目の前にいる相手に聞かないと正確なことではありません。